Die Tödliche Doris ( Müller Wolfgang ) – kavaliere
Die Tödliche Doris ( Müller Wolfgang ) – kavaliere
1981年、
ノイエ・ドイチェ・ヴェレ ( Neue Deutsche Wel le / 新しいドイツの波 )
は当時デュッセルドルフのホテルに1ヶ月滞在していたぼくの目の前で起こっていた。ノイズ・カセットテープ、実験的なロック・バンド、美術関係のアーティストが結成したパンクバンド、メールアート、ニューペインティングなど、そのすべてには野性的新表現力を持ったエモーショナルな社会主義リアリズムが歌われ描かれていた。
デュッセルドルフのAta Tak、 西ベルリンのZensor、
ハンブルグのZickZackなどのインディペンデント・レーベルが続々誕生し、それらのレーベルがノイエ・ドイチェ・ヴェレの運動を吸収していた (
この辺りのレコードや作品はまだ未紹介のものが多く、いづれ機会をみつけて紹介します)
。そうした運動のなかでも、スロッビング・グリッスルに影響された実験的な映画創造と視覚のコミュニケーションを研究した3人の美学生たちで結成された ”
Die Tödliche Doris ”
の芸術パフォーマンスは、ベルリンの映画館、西側の辺鄙で危険な会場で見られるだけで、その存在は最も奇異なる形で表出していた。ヴォルフガング・ムーラーが主催していたダダイスト集団”Die
Geniale
Dilletanten”（天才的ディレタント）の活動のひとつとしてディー・テートリッヒェ・ドーリスは結成されたわけだが、そのユニット名は80sポップスの既存の伝統に対して名付けられた。ノイエ・ドイチェ・ヴェレについてここでは詳しく触れないが、エッセイ映画Ｂ級映画
” Lust & Sound in West-Berlin 1979–1989 ”
には、特別な種類のサブとポップ・カルチャーのための創造的なるつぼになった壁で囲まれた都市ベルリンが描かれている。B-MOVIEは、分割された都市のライフ、ヨーロッパにはない他と違った場所で可能にする文化を物語的に描かれている。パンクで始まりラヴパレードによって終わる物語のコラージュ、、、安っぽく、くだらなく、恐怖の、野心的で、暴力的で、投石の、ドラッグとセックスに飲まれてた、、、、(
大した映像ではないが、ノイエ・ドイチェ・ヴェレは、この荒廃した東西の緊張感から生まれた ) 。ディー・テートリッヒェ・ドーリス（Die
Tödliche Doris / 致死量を意味する Die tödliche dosis のもじり ” 死せるドーリス ” ）のDVD”
Kavaliere ” は、ドイツのHybriden-Verlagより出版された新作で、1981年にドイツにて行われたGeniale
Dilletantenフェスティバルでのドーリスのパフォーマンス映像。Wolfgang
Mullerのドローイング、フォト、エッセイが掲載されたブック付きエディションで限定75部。
Müller Wolfgang, Hrsg.
Kavaliere
Berlin (Deutschland) / -): Hybriden-Verlag, 2016
(Heft, Zine) 18 unpag. S., 21×14,8 cm, Auflage: 75, signiert,
Drahtheftung, mit eingelegter DVD. Aus der Reihe Elektronikengel, http://www.hybriden-verlag.de
ZusatzInformation: Nach einer Performance vom Festival Geniale
Dilletanten, Westberlin 1981. Video von Gustav-Adolf Schroeder und
Zeichnungen von Tabea Blumenschein
Die Tödliche Doris
»Kavaliere«
Die Aufzeichnung der »Kavaliere« inkl. des dazugehörigen Videoclips
steht in Bezug zum Werkkomplex »Naturkatastrophen« der Tödlichen Doris.
Die akustische Verzerrung eines Konzerts durch Interferenzen wie
brennende Mikrofone wird hier zu einem »natürlichen« Antipoden der
künstlichen Natur eines Barockgartens. Das Audiomaterial des
Live-Konzerts bildet die Basis für folgende Playback-Auftritte,
vergleichbar der Performance »Über-Mutti«.
Rudolf Frieling